セーラー服の少女の名は小夜子

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 次に小夜子が僕の目の前にあらわれたのは、成人式をおえた一週間後のことであった。  大学生の僕は友人たちと共に長野県に旅行に行く予定だった。  大学からの帰り道に突然、小夜子はあらわれたのだ。  十年前とおなじ可愛らしい容姿でセーラー服を着ていた。 「ねえ、明彦君……」  十年前はお姉さんに見えたが、今は僕のほうが大人に見えるだろう。 「小夜子、久しぶり……」  僕は言った。  彼女が僕の前にあらわれたということは、僕に命の危機がせまっているということか。 「うんそうだよ。今度の旅行いかないほうがいいよ」  小夜子はそういった。 「うん、わかったよ」  十年前のことがなければ、彼女の言葉は信じなかっただろう。  僕は友人に電話して旅行をとりやめた。  友人にはひどく怒られたものだ。  僕がいかないということで、旅行自体がお流れになってしまった。後日、彼らに焼き肉をおごるはめになったが。  旅行に行く予定だった日、テレビのニュースがある事故を伝えた。  それは僕がのるはずだった予定の長距離バスが高速道路で衝突事故を起こしたというものだ。  小夜子の言う通りにしなければ、僕はあのバスに乗っていて死んでいただろう。  
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