2人が本棚に入れています
本棚に追加
二組目
時は流れ、舞台は変わる。
「…………かぁ」
丸太の椅子に座り憂鬱そうにため息をつく彼女はエルヒューマンとヒューピーとの娘、“エルピューマン”である。
(両親を恨むわ。特に母親を)
そんなことを考え彼女はキッと空を睨み付ける。そこには楽しげに宙を飛び回る二羽の鳥がいた。
(どうせなら空を飛ぶ翼が欲しかった。なのに、なのに……。私にあるのはこの…………醜い“くちばし”だけ!)
鳥の遺伝子を受け継いだがために、彼女の口には立派な黄色いくちばしがあった。
(ついばまなきゃ食べられない! 好きな人とキスもできない! 第一歯が無いからまともに喋れない! なんでこんな不要なものをつけたの私にッ!)
エルピューマンは涙を流し、天に向かって「クエーッ」と鳴いた。
最初のコメントを投稿しよう!