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「「ええええええ?!」」
「そんなに驚くことかな?」
咲耶の悩み事を聞いたネムとシャオランの驚く声が家の外まで響いた。
ふたりのあまりの驚きように咲耶は不思議そうに聞く。しかしネムは興奮した様子で咲耶の肩を掴んだ。
「WebCMのオファーが来たんでしょ? すごいことじゃん」
「よかったですね、咲耶さん。アイドルの夢へ一歩近づきましたよ」
シャオランは自分事のように喜んでいる。
しかし当の咲耶は浮かない顔をして、何か悩んでいるようだ。
「ところで何のCMにオファーされたんだ?」
「ウエディングドレスのWebCMだって...」
ネムは予想外のCMのオファー内容に驚いた。
「ウエディングドレスって、咲耶さん結婚するんですか?」
「シャオラン、私らまだ高校生だぜ」
シャオランの天然にネムはツッコミを入れざるえなかった。しかし、そんなやり取りすらスルーするくらい今日の咲耶は元気がない。
「この前さあ、風魔シティのアトザさんにフルーツサンド届けに行ったじゃん」
「あれか...」
げっと顔を歪めるとその時のことを思い出し、ネムははあっとため息をついた。
「届けに行ったら風魔忍者は倒れてるし、フルーツサンドを渡すはずの風魔の長のアトザは石になってたやつ」
「私たち、犯人だって疑われて風魔の人達に追われちゃいましたね」
怖がりのシャオランはあの時のことを思い出し肩を震わせていると、ポンと小さな音が聞こえた。
【みんなが逃げてる時に変わり身の術を使ったよね、リーリー覚えてるよ】
シャオランの肩にミニサイズのパンダが出現した。ネムは驚いたようにリーリーを指さした。
「うわあ、リーリー。突然出てくるなよ!」
【面白そうな話をしてたから出てきちゃった】
ネムの注意にリーリーはてへっと笑顔で答えた。
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