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「へえ、オファー受けるんだって...んっ?」
「応援してますよって、え?」
咲耶なら絶対オファーを受けるはずと思っていたネムとシャオランは、一瞬思考が追い付かなかった。咲耶の断るという言葉があまりにも意外過ぎて、すぐに反応できなかったのだ。
「「ええええええ!?」」
ふたりは驚きのあまり、本日2度目の「「ええええええ!?」」の声をあげた。
「オファー受けないの、本気か?」
「せっかくのチャンスですよ!」
ふたりはオファーを断るなんてもったいないと言いたげに咲耶に問いかける。しかし咲耶の考えは変わらないようだ。
「うん、でも私決めた。やっぱりこのオファーは受けないって!」
咲耶の覚悟を決めた表情を見たふたりは、驚いて声も出ない。そのとき、
ピピピ
咲耶のスマホからアラーム音が流れてきた。
「あっ! 私これから忍プロのアイドルオーディションに挑戦してくるから、行くね。師匠には今日の修行休みますって伝えておいて」
アイドルオーディションには行くという発言を聞いて、ますます混乱するふたりはどう返事をしたらいいか分からなかった。
「お、おう」
「お大事に...」
いつもなら「師匠に怒られるぞ」と言うネムも突っ込めず、シャオランに至っては咲耶の体調が悪いと勘違いして、おろおろと慌てている。
「シャオラン? 私は今日も元気だよ! 体力有り余ってるし」
「そ、そうですか...」
そういうと咲耶はさっと身だしなみを鏡で確認した。
「じゃ、師匠には伝えといてね」
咲耶は足早に部屋を出て行った。
【じ、じけんだ~】
リーリーの間の抜けた声が部屋に響いた。
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