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いざ、お散歩へ
「でも、大ちゃんと喋れるのは嬉しいな」
と、私は大ちゃんに話しかけた。
『僕も瑞穂ちゃんと喋りたかったから、嬉しいです』
T2チョッパーの声で話してくる大ちゃん、超可愛い。
いつもリサイクルショップで「お買い得だったのー!」と言っては余計なものを買ってくる母に、ようやく感謝した。
「じゃあ、大ちゃん。散歩行こうか?」
『実は僕、そのリードって嫌いなんです。首が締まるんだもん』
「えー! いつも喜んでつけさせてくれたじゃん?」
『それはですね、散歩に行ける喜びがリードを付ける苦痛を軽く超えてたからなんです』
大ちゃん。
なんか、小難しい言い方するんだね。
(機械の仕様かな?)
と思いながら私は
「今回も散歩に行ける喜びをかみしめながら行こうよ」
と誘ってみた。
『やですよ。ハーネスタイプに変えてください』
「大ちゃん、物知りだね……。でも、リード付けずに散歩はできないから、ペット用品店で買うまでは我慢して付けて」
『しょうがない。妥協しますか』
大ちゃんは、不承不承リードをつけさせてくれた。
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