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佐鳥は残酷さと紙一重の無邪気で蠱惑的な笑みをちらりと浮かべた。
「君、とんだ悪徳警官だな……いや、桃色警官かな?でも、ちょっとだけ気に入ったよ」
彼は机から降りると書棚の奥を探り、鬢付け油でも入っていそうな無地の小瓶と懐紙を取り出した。
机の上にそれを置くと、木崎に背を向けたまま下帯を解いた。純白の布片が床に孤を描いて積もる。
「おおかた、男ばかりの酒の席で悪ノリしたどっかの助平に吹き込まれたんだろうが……生半可な女より余程いいとか何とか……」
佐鳥はすらりと長い指を瓶に浸し、誘うような姿態を見せつけた。
「一度だけなら教えるつもりで相手してやるよ……」
木崎は呆気に取られながらも目を離せずにいる。
「手慣れてるな……他の相手とも本当にここで?」
「悪いか」
「VIP客の接待にしちゃあんまりじゃないのか?」
「かえって喜ぶ奴もいるぞ?ここまでさせといて、やっぱり女と違うから抱けないなんて言っても聞かないからな」
「わかってるよ」
木崎は帽子を脱ぎ、一分の隙もなく着込んでいたコートの前をはだけた。
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