相手を求めて

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 あんなところに女が!  太い木の枝の上に女がうつ伏せになっている。  ナイスバディないい女だ。  旅立って間もないのに、これはラッキーだ。 『ヘイ! そこの彼女! 俺とセックスしない?』  そう考えながら彼女に近づく。 『げ!』  俺は浅はかだった。  女だけかと思ったら、下に男がいたのだ。いい具合に女の下敷きになっていたから、気付かなかった。  ――なんちゅう体位でセックスしてんだ!  ――普通、逆だろうが!  腰を動かしまくっているあいつら。俺が立ち入る余地がないほど、セックスに夢中なようだ。  巨大な岩が落ちてきて、すぐに逃げないと死んでしまうような状況でも、あいつらは続けるだろう。  俺は急ブレーキをかけ、燕返しをして、この場から離れた。
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