相手を求めて

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 あちこち飛び回ったが、なかなか女が見つからない。  このままだと童貞のまま生涯が終わってしまう。  そんなの嫌だ。  ん?  急に暗くなったぞ。  これから雨でも降るのだろうか。  あまり濡れたくはないな。  そう思って見上げると……違った。 『げ!』  鳥だった。しかも、俺の数倍はあろう、巨大な鳥。まさに怪物。 『やばい! 見つかったら食われちまう!』  俺は避難することにした。  どこかに隠れる所はないだろうか。 『あった!』  あつらえ向きの大きな木が。しかも、枝があちこち伸びていて、葉がびっしりと付いている。  俺は急いで木に向かう。  木に辿(たど)り着いた。  俺は木の幹に回り込み、枝葉の影になるように隠れた。  ――どうか見つかりませんように。  祈りながら待つ。
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