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次に目を開けると朝だった。 起き上がると、ドアの所にエイトがいる。 『おはよう。詩乃ちゃん』 一瞬息をのんだ。そうだ、昨日わたしとエイトは心の世界で話せるようになったんだ。そして、お互いの能力を取り換えっこして……。 『エイト! やっぱりわたし何も変わってないよ。これじゃまた、タマにいじめられるよ……』 『詩乃ちゃん。大丈夫。君はきっとうまくやれるから。ぼくを信じて。それから、自分を信じて思う通りにするんだ』 小さいトイプードルのエイトだけど、その思いは力強く伝わって来てる。わたしは胸のあたりが熱くなるのを感じたよ。 『なにをどうしていいか、わからないけど、自分の信じることをするよ』 エイトは、尻尾を振ってわたしに飛びついてきた。わたしもエイトを抱きしめる。エイトが頬をなめてくれる。くすぐったいって! 学校に行かなきゃ。その前に朝ご飯。 「詩乃ちゃん! 大丈夫? 夕べは詩乃ちゃん寝ちゃったから、起こさなかったの。何かあったの?」 お母さんがわたしのことを心配してくれている。 いじめのことは、タマと決着をつけてから話すよ。 「昨日、体育でマラソンしてね、疲れちゃったの」 「そう……。体調はいいの? 学校に行ける?」 「うん。行ける、行ける。なあエイト!」 空中にパンチをしながらエイトを見る。 エイトは、 「ワン!」 とひと吠え。 「そう。何か、やたら元気ね」 お母さんがニコニコしてくれた。元気が出たよ! 朝食を食べたわたしは、玄関でエイトに挨拶。 『行ってくるぜ!』 エイトも前足をあげて挨拶。 『ドッグラック、じゃないグッドラック!』 笑わしてくれるじゃんエイト。
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