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 双子は大変な読書家で、彼等の寝台の真ん中にあるスペースに、大きな本だながあった。様々なジャンルの本が、陳列してある。  誠はふ、と本棚の中段の真ん中に先日、蘇芳に渡して返却した、アンデルセンに童話集があるのを見付けた。    誠は蘇芳の事を思い出した。 「蒼、蘇芳は僕が泊まりに来て、機嫌を悪くしていないか?」 「何故?大丈夫だよ。俺がついてるし」   平然と蒼は言葉を返した。  誠は軽く頷く事しか出来なかった。  「そうだ!そろそろ蘇芳の氷嚢を変えてやらないとな。誠、悪いが少しここで待っていてくれ」  誠はまた頷くと、蒼は蘇芳の伏せる座敷へと、慌ただしく行ってしまうのだった。  
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