真夏の死後の冬の手紙

三

　三人の少年たちは、双子の祖母が用意した、朝食をとった。
　鮭のお握りと、豆腐と青菜の味噌汁と、冷やしトマトに蜂蜜を掛けたものだった。
　蘇芳はこの冷やしトマトに蜂蜜を掛けたものが、好物だ。
　夏場、病に臥せるとヨーグルトと共にそれを少し口にした。

　トマトは、双子の祖母が家庭菜園で育てたものである。
　実は誠はトマトが苦手だが、蜂蜜を掛けたものを恐る恐る口にすると、何だかフルーツのようで食べる事が出来た。

　食後には、これも双子の祖母が家庭菜園で育てたミントのハーブティーが運ばれてきて、少年たちはそれを飲んだ。
　爽やかな香りが鼻を抜けた。

　午前十時を過ぎた頃、蘇芳は町医者へと出かけた。
　その間、誠は蒼と二人きりで過ごす。
　双子の祖母も、買い物へと出かけて行った。