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 天色の空はどこまでも高く、午前中だが照りつける太陽光線は強く、少年たちの肌をジリジリと焼く。  日焼けした蒼の顔は、小麦色に輝いていた。  誠と蒼は住宅地の坂道を歩いていた。  アスファルトから、熱がぶわっと噴き出して、誠も蒼も汗をかいた。  彼等は、どこともなしに、路を歩いていた。それは途方もなく、宛もなく、迷路を行くようでもあった。  住宅地の家々から、植物が生い茂り、濃い緑の葉の木々が、風に揺られていた。時々、蝉の啼く声も聞こえて来た。  そんな中をしばらく、無言のまま歩いていると、少年たちの通う中学へと着いた。  運動部の生徒たちが、校庭で野球をしたり、テニスをしたりしていた。時々、歓声が聞こえる。  誠も蒼も蘇芳も部活動には入っていなかったが、二人は何となく学校へと来ていたのだった。 「図書室へ行ってもいい?」  突然、何かを思い出したかのように、蒼が言った。 「いいとも」  読書家の蒼は、家にある本をみんな読んでしまったと言うのだった。  二人は校門を潜り抜けると、白い校舎の中へ入って行った。
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