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 誠は小声で、 「別に何も」 と、気まづそうに言った。 「誠、夏休みも半ばだら、もしよかったら、明日から家に泊まりに来ないか?」 蒼はまたにっ、と笑ってこう提案したが、あの蘇芳と寝起きを共にする事に、誠はギョッとしたが、大の親友である蒼と過ごせる事は、素直に嬉しいのだが、正直、複雑な気持ちだ。 「じゃあ、明日の昼過ぎに行くよ」 「解った。じゃあ待ってる」  少年たちは一旦そこで別れた。  誠は玄関から、灌木を越えて双子の屋敷を後にした。  
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