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私は一人になった。
寂しい、と感じる前にラジオをつけた。ちょうど昔の曲特集をやっていた。弟と二人、居間で母の帰りを待っていた頃、流行りの曲だった。
歌詞を口ずさむ。自然と笑みが浮かんできた。私は私の家に帰る。母の病院がある、私の町へ。
母が退院して落ち着いたら、実家の居間で3人、ゆっくり話せるといい。
時が流れて、変わることは悪いことだけじゃない。
――今回のことも含めて、それぞれの経験をあの居間で、笑い話にできる日が来るだろうか。
来るといいな。
そう思い描きながら、私はさらにアクセルを踏み込んだ。
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