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これは罰?
「悠河、こっちを向いて」
よつんばいになった悠河がおそるおそる振り返ると、〝おじさん〟は何度も悠河の痩せた内腿を撫で上げる。
「悠河がいい子だから、また劇場に呼んであげられるよ。これからも頑張りなさい」
「がん、ばる、て?」
次に起きることを想像しながら、はぐらかすように答える。
「勉強も、芝居もだよ。みんなを喜ばせられるように」
〝おじさん〟は嬉しそうに笑顔で悠河の下半身へ掌を滑り込ませた。
「大好きな悠河、もっと可愛がらせてくれ」
身体が重くのしかかり、悠河はベッドに伏せる。
これが〝おじさん〟の「大好き」。「可愛い」モノへの愛撫。
まだ精通すら知らず、震える瞼を閉じ、何も見ない。見なければいつか終わってくれる。
ベッドが大きな音で軋む。
その様子を見ていた〝おじさん〟は、綺麗なままの背中にくちづけ、濁った愛を注ぐ。
「っ……!」
汗だくで飛び起きた悠河は、ベッドを這い出た。
──なんでまだこんな夢を見る? 俺は〝おじさん〟を愛してたの?楽しんでたの?
それは、罪なの?
胸が苦しい。搔きむしりたいほど。
自分を見下ろす〝おじさん〟の眼に映るのは、喰われることに怯えたケモノ。
悠河は冷たいフローリングに座り込み唇を噛み締める。抱えた頭がずしりと重かった。
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