再会

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 小鉄という名前をつけた。小さくても強い犬になりますようにと願いを込めた。  かなり弱っていたが、幸いなことに治らないような病気や怪我はなかった。やんちゃな子犬ではないが、元々、家にいたラブラドール・レトリバーのソラにも恐れることなく近づく犬だった。 「いい子だねえ」  声をかけると、小鉄は嬉しそうに笑う。その笑顔に父も母も夢中になった。  嘱託警察犬というものの存在を知ったのはテレビのニュースだった。トイプードルが試験に合格したというニュースを見て、父は急に張り切った。 「トイプードルができるなら、ソラなら、きっと一発合格だ」 「確かにソラは賢いけど、おっとりしてるからなあ」 「試してみる?」  私は紙コップを三つ持ってきた。 「一つは空、一つにはおやつを入れます。当たりには私が丸めたティッシュを入れます」  入れてから、床に置き、シャッフルする。 「難しすぎじゃないか?」  父が考え込む。 「まあ、お父さん、試してみて」  もう一つ丸めたティッシュを父に渡した。当たるはずがないと思っていた。  父は真剣にソラに匂いを嗅がせた。 「いいか、この匂いがどこに入っているか、当てるんだぞ。いいか、行け」  ソラはわかったというように鳴くと、紙コップの匂いを嗅いだ。一つ一つ、慎重に嗅いで、ひっくり返さないところは流石に賢い。  それから、決めたというように一つの紙コップの前に座った。 「じゃあ、開けるね。ジャーン」
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