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犬と暮らせば
「マミヤさん、最近活き活きしてますね」
休憩室で寛いでいると、部下のアラガキが隣の空席に腰を下ろした。
「あ、分かるかい?」
「ふふっ。なにか良いことがあったんですか?」
「うん。ずっと欲しかった小型犬をやっと飼い始めたんだ」
「へぇ。なんて種類ですか?」
手元の紙コップのコーヒーを飲みながら、少し考える。短毛でクリクリの黒い瞳――あれはなんだろう。
「多分……秋田じゃないかなぁ」
「写真とか動画ないんですか?」
「ちょっとね……カメラが嫌いな子なんだよ」
「そっかぁ、残念」
苦笑いを返すと、アラガキは去って行った。俺は空いた紙コップを潰して、休憩室を出る。さて、午後も頑張るか。残業はしたくない。可愛いコータが待っているんだから。
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