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「犬飼いたいな」
そう言ったのは彼女。俺は彼女の為なら何でも叶えてあげたいと思ってしまうけれど生き物に関しては少し違う。最後まで責任もって飼えるだろう、けれどあんまりにも寿命が違うと今度はこっちが寂しくなってしまうものだから。俺たちはそれをよく知っているはずで、俺は彼女にもうそれを感じてほしくないから、だから反対してしまうのだけれど、彼女は逆に俺にもう少し心を開いてほしいらしい。だから定期的にこの話題は出るし、俺はあの手この手で彼女を説得してどうにか回避はしているけれど多分もうそろそろ説得材料もなくなるころだろう。それなら、俺の方から何か提案してみよう。
「動物じゃなきゃだめなの?」
「だって一緒に遊びたいもの、うっかりすると家の敷地内に引きこもりになっちゃうのだからその範囲を楽しく運動するなら犬がいいかなと思って」
思ったよりちゃんと考えられた理由に今すぐには太刀打ちできない。一旦出直そう。
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