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隠密機動隊招集
東京都心にぽっかり広がる広大な緑地、新宿御苑。
その一角に、厳重立入禁止区域とされたエリアがある。
結界に護られた黒塗りの門は常時固く閉ざされ、許可なくしては見つけることすらできない。
「お館様、瘴気濃度が危険値に達しました!」
寝殿造りの広大な屋敷に、世話役松平定範の声が響く。
主殿の広間に置かれた大鏡を前に、背筋をまっすぐ伸ばして鎮座していた若者が振り向いた。
「とり急ぎ、守護役たちをご召喚ください!」
息せき切って駆け込んできた定範に小さく頷くと、若者は大鏡に向かって真言を唱える。大鏡はみるみる白く濁り、乳白色の鏡面は何も映さなくなった。
固唾をのんで見守る二人の前に、白い鏡面から茶髪の若い男が飛び出してきた。
「うおっ、ほんとにワープした!!」
整った顔立ちに驚きの表情を浮かべて大広間をぐるりと見回していたその男は若者と定範に目を留めるやいなや、サッと板の間に手を付き頭を下げた。
「ご当主様とお見受けいたします」
「いかにも」
黒髪の若者は落ち着き払った声で答える。その優雅な所作は若い見た目にそぐわぬ貫禄を醸し出していた。
「武田家より盟約に従い馳せ参じました。守護・副長、武田理人と申し……」
「きゃあああっっ!!」
理人の口上を女性の悲鳴が遮った。
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