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雪乃と石田のやり取りは続く。
「そのIPドメインの持ち主は追えないんですか?」
「そちらが二つ目のご報告となります。我々の調査によりますと、『打ち出の小槌』というサイトへの誘導メールは、伊達鷹臣が失踪時持っていたスマホから送られています」
「なんですって!?」
雪乃は強引に視線を石田へと戻した。
「待って、鷹臣がピンポイントで見ず知らずのご老人や高校生にメールを送って『打ち出の小槌』とかってサイトに誘導してるってこと? なんでわざわざそんなことを?」
「我々もその原因を追究するために調査を進めました。現場や関係者をしらみつぶしに当たったところ、北千住の被害者は家に帰りたいという不満を常に訴え、自分を施設ににいれた息子さん夫婦にひどく不満を持っていらっしゃったとの証言がありました。また日暮里の柴田は三人の同級生から常習的ないじめを受けていました」
「つまり、鷹臣は恒常的に不満や強いストレスを持っていた人を狙ってメールを送り付けていたってこと?」
「それだけでは不十分かと思われました。条件が不満を持ち続けている人だけでいいのなら、あえてメールアドレスを割り出してピンポイントで釣り上げなくてもSNSなどを使って拡散したほうが身バレもしにくいし効率的ですから」
「それはそうよね……」
「調査を重ねても被害者にこれ以上の共通点は見出せませんでした。そこで我々は別の視点から検証をしたのです」
石田の徹底的な調査に雪乃は息を呑む。

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