ウワサ

4/12
前へ
/228ページ
次へ
 ――……「美南海(みなみ)さんって新聞部の?」  ――……「【学校の七不思議】を調べてたんだよね」  ――……「呪い?」  ――……「呪いってなによ?」  ――……「【学校の七不思議を解明すると呪われる】っていうヤツ」  ――……「まさかあ」   どうしてもそれが忘れられないでいる。  そして、東雲 美南海の死から二年後、私は彼女と同じ高校に入学した。  従姉妹の両親にとって私の行為は嫌味にとられてしまうだろう。しかし、元より、私の地域、私の通っていた中学では、この高校に入るのが普通だと思われている。だから、彼女の両親は止めることはしなかった。  それどころか私が入学する時、従姉妹の両親はとてもとても複雑な顔で祝ってさえしてくれた。 「花子さん」  東雲 美南海は、この学校の新聞部に入部をし、【学校の七不思議】を題材に記事を書いていたという。  好奇心旺盛な従姉妹らしいが、題材は彼女らしくなかった。彼女は周囲から人気者で、カワイイものが似合う清楚なお姉さんだった。  そして、非情にもその好奇心が彼女を殺したという。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加