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【増える階段】
たしか、従姉妹の記事ではそういった題目で書かれていた。
数え間違いがないか慎重に階段を降りながら、踊り場で一度止まり大鏡を確認する。同じ検証場所だが、違う題目だって存在する。
【異次元に繋がる大鏡】
これもまた従姉妹の書いた記事にある【学校の七不思議】だ。
壁に掛けられた鏡に映るのは紛れもない私だ。
変哲も無いただの鏡が、何故他の場所に移動するのか分からない。
四時四十四分。
時計を確認し、改めて階段を降りる。
階段の数もメモをし、鏡の結果も同じように記載する。
【トイレの花子さん】と同じように検証する場所はどれもまだ残っている。
「現象が起きなくて当然」という安心感と「また違った」という落胆がある。
【学校の七不思議】を題材にした従姉妹の記事には時間、やり方、場所のいずれか一つが必ず欠けていた。
怖い話としては良いあんばいかもしれないが、検証する側からしては迷惑この上ない。
二ヶ月、もしくは三ヶ月に一度掲載される彼女の記事は、考えると【学校の七不思議】解明にはハイスピードといえるだろう。
入学してまでまだ一ヶ月も経っていないが、この検証は骨が折れると予感していた。
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