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カードを買う。パックを剥く。カードを買う。パックを剥く。
ウルトラレアや、スーパーレアカードは何枚か出てくれた。しかし、残念ながら噂の呪いのカードは見つからない。あれが今回、一番の目当てであったというのに。
「うわあ、もうお金ない」
大きなバッグとカードケースを持ってきて良かった。鞄は、大量に買ったカードでいっぱいである。あまりに買いすぎて、段々カウンターのお姉さんの目が戸惑うようになってきたほどだ(転売屋だと誤解されたのかもしれない)。
まだカードが入る余裕はあるが、先に財布の中身が尽きてしまった。万冊を数枚入れて来たのに、ちっとも足りなかったということらしい。
――よくよく考えて見れば、既に派手に流通してるんだよね?だったら、中古屋の方が狙い目だったかも?失敗したかなー。
とにかくカードだ。もっともっとカードを買わなければ。ひとまず近所のコンビニに行こうとベンチから腰を上げる。ありったけのお金をATMで下ろして来たら、東口の方にある古本屋へ行くことにする。あの店は、中古のカードも扱っていたはずなのだから。
もしそこでも見つからなければ、メルカリやアマゾンでも探してみようと決める。なあに、お金は足らなければどこかから借りればいいのだ。幸い、駅の近くにはお金を貸してくれるような会社もいくつかあるし、自分のような安月給のOLでも多少なんとかしてくれることだろう。
――どんな魅力的なカードなんだろう?欲しいなあ。気になるなあ。あー、お母さんにちょっと誤魔化して、仕送り増やして貰おうかな?でも、頼んだところで仕送り来るの来月以降だし。うーん、できれば今日中にゲットしたいんだけど……。
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