拝み屋さん

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電車に揺られながら、家から持ってきたおにぎりを食べる。もし混んでたら食べられないところだった。 駅に到着したけど、一緒に仕事をする天野(あまの)さんはいない。待ち合わせ時間より、早かった? しばらく待っていると、作務衣(さむえ)という格好で天野さんは現れた。着物みたいな生地だ。 「どーも、遅れました!」 「…電車じゃないんですか?」 「全力で走ってきたんですよ」 …えー 「いやぁ、疲れました」 「…電車乗らないんですか?」 「金ないんで」 「でも移動費出してくれるって」 「俺には出ませんよ〜。んじゃ、行きましょう」 天野さんは、さっさと歩いていく。それについてゆく。 「天野さんはご飯、食べましたか?」 「いや?後で」 私食べてきたけど、すぐ終わる仕事だってこと? 「天野さん、私の服装、大丈夫ですか?」 白シャツに、黒のボトムス。髪型は、いつものツインテール。ただ、目がブルーだからちょっとなにか言われちゃうかもしれない。 「え?服装とかどうでもいいんじゃないっすか?」 雑すぎる…全然見てないし。 天野さんは作務衣に黒のスニーカー。髪の毛は片側に長くしていて、ピアスもしてる。 「どうでもって、お客様のところに行くんですよね?」 「そうですけど、とりあえず露出してなきゃいいんじゃない?」 そんな格好しませんけど。 「天野さんは…」 「あー、天野だと住職のことだと思っちゃうんで、これからは雪見(ゆきみ)って呼んでもらえませんか?」 「はぁ、雪見さんでいいですか」 「はい。楓さんは…あれ、苗字なんでしたっけ?」 「観音寺(かんのんじ)です」 「あー、じゃあ楓さんのままで」 別に苗字で呼んで欲しいとは言ってない。
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