また、いつの日か

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寝付いてから10分程した頃か、次第に麻里奈さんの体から青く光る粒子が空中へと徐々に溢れ出した。 荊棘の作った青い薔薇の薬の効果が出始めているようだ。 ――これで麻里奈さんに植え付けられた病は消える。赤ん坊も無事に産まれてくるはずだ……。 ふと自分の両手を見てみると、同じように黄色の細やかな光に包まれていた。 ――あぁ、俺もこれで終わるんだ。 後悔も未練もない。 俺はただ消えていくまでの間、スヤスヤと眠る二人を見ていた。 麻里奈さんから放たれる青い光が増すのと同時に、俺の全身を黄色い光がさらに包んでいく。 そろそろかと感じた時、アイナが目を擦りながら起きた。霊力のない今のアイナには麻里奈さんの光も俺も見えていない……はずだった。 「リンドー?」 寝ぼけて発しただけだと思い黙って見ていると、アイナはベッドからするりと抜け出て、俺の方へと歩いてきた。 「ダークヒーローのおしごとしてるの?」 そう言われて確信した。 視えている。 アイナには今、死神姿の俺が視えているんだ。 「……なんで、分かるんだよ」 「え? うひひ…」 アイナはいたずらがバレた後のように笑っている。 霊力は全て奪ったと思っていた。奪ったはずだったのに……消したはずの記憶ももしかしたら残っているのかもしれない。俺は側に来たアイナを優しく抱きしめた。
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