第1章【1】

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 何とか瞬くんとのセックスは終わった。  俺は放心状態でベッドにうつ伏せになっていた。  (ホンマに、体引き裂かれるかと思った……)  正直言うと、全然気持ち良くなかった。  でも、こんな事言えるわけがない。  全く気持ち良くなかっただなんて。  (こんなもんなんやろうか……。はじめは痛くて、何回もしてるうちに徐々に慣れていくんやろうか……)  一人で悶々と自分の体について悩んでいた。  でもそれだけだったらまだ良かった。  想像では、終わった後はベットで二人で寄り添って、好きだよって甘い言葉を掛け合って、ますますの愛情を感じられるものなんだと勝手に思っていたんだけど。現実は。 「……すー……」  (はっ! 瞬くん、寝とる! 早々と寝とる!)  しかも俺は痛くてそれどころじゃなくて、未だ欲を放てずにいた。  でも痛みで萎えてしまっていたから、今更出そうとも思わないけど。  瞬くんの寝顔を見ながら、そっとタオルケットをかけてやった。  規則正しい呼吸音を聞きながら、その顔を覗き込む。  エッチはちょっとアレだったけど、やっぱり格好いい。  良いところは顔だけじゃなくて、背が高くて脚がすらっと伸びてて、痩せてて、だけど筋肉質で、頭も良くて。  話に聞くと、中学の頃も男女問わず相当モテてたみたいだし。  こんなイケメンと付き合えただけで奇跡だと思う。思い切って告白して良かった。  俺はふふっと微笑んで、片手で頬杖をつきながら彼の頭を撫でてやる。  (もう、自分勝手やなぁ瞬くん……。その顔に免じて許すけど、次からは優しくしてほしいなぁ……)  俺たち二人が今、上手くいかないのはセックスだけで、それ以外はこれからも変わらず、上手く付き合っていけると思っていた。  思ってた!! なのに!!
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