ソウル 

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AM 5:30 『戻りました』 店に戻ると店長の奥さんがストーブの後ろからジヨンを呼んだ。 『ご苦労さん、まー寒かったでしょう、こっちで温まって、ほらほら』  ストーブの横のテーブルに紙コップに入れたコーヒーを置き、ジヨンを座らせる。 『お腹すいたでしょ?コレ食べな。あんたこんだけ背が高くて大きな身体してるんだから栄養つけなきゃ』 『ははっ、間違いねえや、おまえ除隊してからますますでっかくなりやがって』  店長がかかかと笑いながら背中をバンバンと叩く。    しばらくすると、仕事を終えた他の配達員が店に戻って来る。  ジヨンは、コーヒーを飲み干すと さっと立ち上がり、ゴミを片付けた。 『じゃあ。帰ります』  『はいはい、勉強頑張りなさいよ』 『じゃあ、またよろしくな』 12月の早朝はまだ暗い。 バイクのヘッドライトを点けて、 まだ明けない朝の道をバイクで走る。
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