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22.『迷宮の笑み』
(2023/4/15)
【寸評】
親戚の家を訪ねて手持無沙汰になった折、お酒にひどく酔った頭と手にしたスマートフォンを使って書いた作品です。眠気と頭痛を抱えながらひと息に第三稿まで手直ししましたが、直感的な執筆をするいい経験になりました(とはいえ、もう一度同じような状況で書きたいかと問われれば、答えは「ノー」ではありますが……)。
前半は主人公の心象風景を迷宮というメタファーで表現し、空行で区切った後半部分はそんな彼の実生活の様子を描いています。
作品全体を通して「女性不信」という題材が根底に息づいており、過去に手痛い恋愛の失敗をした主人公が半信半疑なまま新しい未来に踏み出そうとしています。
直線と曲がり角、階段や立体交差の入り混じった迷路を構築しているのは無機質な白い壁か、はたまた緑深い生垣なのか。
主人公がどんな迷宮をさまよっているのかは読者に委ねますが、少なくとも自分が思い描いたのは、貴志祐介さんの『クリムゾンの迷宮』に登場するような荒涼とした土地でした。
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