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「じいちゃん! 起きて!」 「ん? 何? 起こすなよぉ。せっかく今、夢の中で、ヘレンとベタベタしていたところなのにぃ」  祖父は、眠そうに目をこすりながら口を尖らせた。 「いいから見て見て! 大変! ドラゴンがこっちに飛んできてるよ! 勇者たちが退治したからドラゴンはいなくなったんじゃないの?」 「どれどれ」と祖父は僕が指さす方角を見てから、「ああ! 何てことだ! まだ生き残っているのがいたなんて! ヘレンがいれば何とか倒せそうだが、今は家にいるからな」と頭を抱えた。 「襲ってきたら、おしまいだってこと?……こっちに来なければいいな」  しかし、願いとは裏腹に、ドラゴンは僕らの所にやってきて、スピードを少しも落とさないまま祖父に勢いよく体当たりした。  呪文を唱える力のない祖父は吹き飛ばされ、地面に強く叩きつけられた。 「リョウ……すまない」  離れた場所から、祖父の力ない声が聞こえる。最悪の事態だ。
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