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 祖父の教え方は上手だった。僕は、冬休み最後の日までに基礎魔法のすべてを上手く使えるようになった。 「意外と、飲み込みが早いじゃないか」  夕方近くになって、無事に計画通り冬休みの特訓が終了すると祖父が言った。 「僕なんかが、冬休みの間だけでここまで出来るようになったなんて信じられないな」  すると祖父がすかさず「僕なんかが、だって? 違う。リョウだから出来るようになったんだ」と笑った。 「そうかな?」 「そうだとも。で、ユウアちゃんとは、どういった間柄なんだ? 付き合っているのか?」 「いや、付き合ってない。この前、二人で隣町の祭りに出かけはしたけどね。きっと僕が一方的に好きなだけさ」 「……ふむ。自信を持って確認したらどうだ?」  「まあ。でも、じいちゃんは、そう簡単そうに言うけどさ、僕は臆病だから断られるのが怖いんだからね」  僕は目を伏せた。すると少し間を置いて、祖父が「そうか」と落胆したように呟いた。
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