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14 混乱
イザンの街では、朝から大きな混乱が起きていた。街から多くの人々が逃げ出すのを、タウルンディア兵が阻止しようと切りつけているので、それを見たシアランディア軍が応戦をして両軍の衝突が起こった。
逃げて来たイザンの街の人間にオニールが訳を訊くと、彼らは口々に
「タウルンディア兵が倒れたので、その隙に逃げて来た」
と言っていた。彼らは、タウルンディアに移送されるために一か所に集められた住民たちだった。
混乱の状況を把握するため、オニールは副将のコンラットの部隊にデスモンドを伴わせてイザンの街中に偵察を出した。
そこでデスモンドが見たものは、路上でうずくまっていたり、倒れていたりするタウルンディア兵だった。その足元を、赤黒い虫が群れて這っていた。
デスモンドが近づくと彼らからは腐肉の匂いがする。
(ああ、彼らも犠牲者か…)
と、眉をしかめて辺りを見渡す。動けなくなっているタウルンディア兵は、ほほ全部がゾンビ兵と思われた。
今朝、デスモンドとイアンは、強い浄化の力を感じた。そのせいで彼らが動けなくなっているのだろうと思った。
その力の正体は…。
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