悠久の落とし子アリン《葛藤編》

１５ 初めての戦い

　デスモンドとアリンは、街の外の戦闘が激しくなっているのを察してそちらに応戦に行くことにした。
　グレンが、
「アリン、行けるか？」
と声をかけると、アリンは揺るがない声で
「行くわ！」
と答え、グレンの脇腹にあった剣を握った。

　街の門から外を見ると、すでにそこは総力戦の様相を呈していた。
　オニールが率いる部隊とザカライアが率いる部隊が入り乱れて、激しい切り合いをしていたのだ。
　フィンによる浄化がこのイザンまで届いたが、タウルンディアのゾンビ兵を全て倒すには至らなかったようだった。

　切っても切っても起き上がるゾンビ兵にシアランディア兵は苦戦していた。
　アリンはグレンから降りると、切りかかってくる敵兵を速い斬撃でかわす。アリンが手にするドワーフが作った剣は、後に「退魔の剣」と言われる浄化の機能を持つものだった。