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先生って。
行動力ある人だったんだな。
墓参りした後、そのまま華の実家に寄り結婚したいという申し出を彼は両親と向かい合い今まさに告げている。
目の前で、「お嬢さんと結婚させて下さい」と
繰り広げられている風景を見ながら華はどこかボンヤリとした目で見つめていた。
だって
さっきだよね。
プロポーズ。
確かに、今思えば佐渡の格好がやたらキチっとしているなとは思っていたのだが、今日もカッコいいな。としか思わなかった。
しかも彼はちゃんと手土産まで持参していた。
想いを確かめあってから4ヶ月。
彼はいつからそんな気持ちでいてくれたのだろうか。
そんな事をボンヤリと考えながら佐渡と父の様子を見る。
「華」
父の声にハッとし意識を切り替える。
「はい」
「お前はいいのか?まだ若いしもう少し人生経験を積んでからでも父さんは遅くないと思うぞ」
経験。
もし、歩むならば彼と一緒がいい。
ずっと一緒に生きていきたいのは
この先も彼しかいないから。
そう華は両親に告げた。
「そうか。」
父はそれだけ言うと「佐渡君、娘を宜しく頼む」と頭を下げた。
「ありがとうございます。宜しくお願いします」
佐渡も深く頭を下げた。
実家を後にし、今は佐渡のマンションにて
目の前に◯印を付けられた4月のカレンダーが広げられている。
何?
これ。
「華、いつがいい?社長のスケジュール聞いたら◯印がついてる場所しか無理みたいなんだ」
「いつって何が?」
「ん?結婚式」
「、、、。」
「え?」
「華は結婚式挙げたくない?」
「いや、挙げたいけど」
「良かった。俺も華のドレス姿見たい。」
「、、、。」
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