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次第に軋む様な音が収まると共に揺れは次第に落ち着きをみせ、しばらくするとピタっと止まり静けさが訪れた。
2回目の方が大きかったのか、机にあった色んな物が床に散乱し椅子なども倒れている。
とりあえずフロアにいた者の無事を確認する。
「皆、大丈夫か?周りに割れた物とかあるかもだから気をつけて動く様に」
純は注意を払いつつ自分の周りも片付け始める。
純はふと先程の会話を思い出す。
華が営業課に来る話を。
まさかっ。
華!
純は散乱した机をそのままに部署出てエレベーターへ走る。
廊下にあった植木などが至る所で倒れていて揺れの強さを物語っている。
「前畑!前畑そこにいるか!!」
純はエレベーターの扉を叩き華を呼ぶ。
もし、この中にいたら危ない。
あの子は密閉した狭い空間が苦手なんだ。
先生〜狭いとこ平気?
狭いとこ?例えば?
ん〜カラオケBOXとか?
え?あれって狭いかな。
私には狭いかな。何かね小さい頃から苦手なんだよね。密閉された空間。もうそこに人が沢山いたらもう最悪。
この部屋もドア開いてなかったら厳しいって事?
慣れた場所で1人なら大丈夫かな。あ、あと家族は大丈夫!閉所恐怖症まではいかないけどダメな時はダメなんだよね。
この前も吐きそうになっちゃって。
そっか、え?じゃあ、俺といるのも厳しいんじゃない?
ん?あ。何でか先生は大丈夫みたい〜アハハ。
そんな昔の記憶が脳裏に蘇る。
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