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華の声は震えて途切れ途切れだが、封筒を抱きしめ必死に言葉を繋ぐ。
「先生、私、ずっと好きだったの。
高校生の頃から先生が好きだった。
けど、言えない。言っちゃいけない。って
思ってて。
だから、先生から離れなきゃって。
必死に気持ち押し殺して蓋をしたの。
でも、ダメだった。
離れても思い出すのは先生と過ごした時間で。
近くにいればいるほど辛くて、だから先生から逃げてた。
ごめんなさい。
先生を傷つけて。
ごめんなさい。」
途中から佐渡に抱きしめられたのは分かっていたが、それでも華は必死に気持ちを伝える。
だって、今、伝えないと
時は待ってくれない。
精一杯生きる。
そう決めたから。
「華っ」佐渡が華を抱く腕に力を込める。
「先生、大好き。ずっと大好きだった。」
佐渡が愛おしそうに自分を見る視線に華は泣きながら自分から抱きつく。
離れたくない。
そう気持ちが彼に届くように。
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