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2人で封筒を返しに社長室を訪れた。
「お返しします。」
佐渡がそれだけ言って向上に差し出す。
彼は黙って受け取りニカっと笑った。
「うん。良かった。収まるべき所に収まって。
ピタっとハマるのが最高に気持ちいいよね。
仕事も恋愛も。」
「社長、ご厚意に感謝致します。ありがとうございました。」佐渡が頭を下げるので華も一緒に下げた。
「うん。予定空けないといけないから、もし決まったら早めに教えてね。」
向上はニコニコしながら言う。
はて。
何をきめるのだろう。
華がポカ〜ンとしてる横で
「はい。なるべく早く決めます。」
そう佐渡が言うので意味も分からず華はとりあえず横で微笑んでいた。
社長室を出ると山下が目を輝かせてこちらを見ている。
佐渡が山下の横を通る間際に右手を彼にかざし、応えるように山下も手を差し出した。
パンっ!
互いの手のひらで叩き合い、
2人ともニヤっと笑い頷いた。
その光景を後ろで見つつ
男というものはよく分からない。
そう華はあらためて思っていた。
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