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「では、社長、この日は一日空けるという事で他と調整致します」 山下はスケジュール帳を開き向上に確認を取る。 「うん。お願いするよ。 せっかくの部下のお祝いだからね。やっぱり一日ゆっくり祝う気持ちに浸りたいから一日OFFで頼むよ。」 「しかし、かなり弾丸急行ですね。佐渡部長」 「いや、彼はね仕事の面でもここだって決めたら突き通すね。うん。なかなかの策士だよ。」 「たぶん前畑は何も気づかずにボ〜としてる気がします。」 「ハハっ。それでいいんだよ。相手に悩む暇を与えない内にズバッと決めて進む。 うん。彼は意外と経営者向きかもしれないな」 「確かに」 向上と山下は互いに笑い合う。 山下の開かれたスケジュール帳の4月○日には、 「佐渡&前畑結婚式!!」と書かれ赤字で二重丸がグルグルと縁取られていた。 END
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