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19.お互いに気付いた!
一瞬でもウルフの目が覚めたことは保護者代わりの孤児院院長に伝えられた。院長はウルフとアニカが正式に婚約していなくても将来を誓い合った仲だと知っているから、アニカにそのことを知らせた。
「お母様、孤児院に慰問へ行ってきます!」
「慰問ってウルフ君の見舞いでしょ?行くならお父様には内緒にしなさい」
「お母様、ありがとう!」
「言っておきますけど、まだあなた達の仲を認めたわけではないですからね!家柄がよくて財産もあって貴女にもっとふさわしい男性はいくらでも見つけてあげるわ」
「私はウルフがいいの!それにそんな好条件の男性だったら私なんか門前払いでしょう?」
「何言ってるの!アニカはかわいいし、うちもそこそこの家柄で財産だって結構あるのよ」
「もういい!行くからね!」
自分の容姿がコンプレックスなアニカは、自分に全く似ていない美しい母の口から自分が『かわいい』なんて聞きたくなくて強制的に話を打ち切ってウルフの病院へ急いだ。
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