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久し振り
俺は最近よくニュースにもなる、強盗のブラックバイトをしていた。
その時、家に入るはずのなかった家人が出かける予定を変更して家にいた。
慌てた俺は、家人を殺傷してしまい、懲役刑になった。
臭い飯を食っている間も、俺はなぜあんなことをしてしまったのかずっと反省していた。
模倣犯として、刑期は短くなってようやく出所できることになった。
今度こそ、まっとうな人生を送りたい。
2年ぶりの出所だ。何をして生きて行こうか。
家族の情報も組織には筒抜けなので、もう、戻ることはできない。
行く当てもなく、刑務官に見送られて、刑務所の門を出る。
迎えになど誰も来ないはずだったが刑務所の出口には誰か立っている。
俺をだましたブラックバイトの紹介者が迎えに来ていた。
「久しぶり。人手が足りねぇんだよ。またよろしくな。」
一瞬無視して男を交わして歩こうとした。だが、男は言った。
「お前、家族がどうなってもいいのか?」
あぁ、抜けられないんだ。
俺はまた同じ仕事をして生きていくしかないようだ。
【了】
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