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「理奈、これ運んでくれない?」
隣にちょうど幼馴染の里奈がいたので声をかける。
「うん? ああ、いいよ。任せなっ!」
2人で並んでこれから使う教科書を運ぶ。
「翔太は1-3の担任になるんだっけ」
「ああ。校長先生に大変だろうけど矢萩さんと頑張ってって言われたよ」
「私と?私1-1の担任だよ?」
全く……そういう意味じゃないんだよなあ。鈍いんだか、鈍感なんだか、鈍臭いのか、一体どれなんだろう。
理奈は幼馴染の僕から見ても整った顔立ちをしていると思う。いや、幼馴染の僕だからこそ言えるのかな。
綺麗というより可愛いの方がしっくりくる。
2人で教科書を教室の前まで運ぶ。すると、前からすらっとした長身のイケメン男性がやってくる。僕たちよりも5歳くらい上かな?
「初めまして、僕は1-2の担任の赤井冬馬。どうぞよろしく」
「「初めまして!」」
あっ、という声も重なる。僕がクイっと顎で示す。
そちらが先でいいよ、の合図だ。
「1-1の担任をします、矢萩理奈です。よろしくお願いします」
「1-3の担任です、高木翔太です。不束者ですが、何卒よろしくお願いします」
と丁寧に挨拶をする。
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