決着

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決着

 秘書室で自分の机周りなどをしゃがみ込んで捜していた私に、真紀が声をかけてきた。 「どうしたの菜々?」 「招待状がなくなってしまって、実は捜しているの」 「ええ!?ここでなくしたの?菜々はほとんどこっちにいないじゃない」 「うん、あっちはもう結構捜したんだけど見つからなくて。もしかしてここで落としたのかもしれないと思って……」  すると、目の前の席に戻ってきた黒沢さんが私に言った。 「招待状ってどこからのどういうものがないの?一緒に捜すわ」 「あ、いいえ……大丈夫です」 「大丈夫じゃないでしょ?あなたがなくしたのは崇さん宛のものなんじゃないの?だとしたら榊原の一大事よ」 「確かにそうね」  真紀が言った。 「菜々、どこからの招待状?どんな封筒なの?」  数人の秘書が近寄って来た。 「どこかで見たかもしれないわ。どんな封筒?」 「薄い紫色の封筒で菖蒲の花の模様が薄く見える。封印のところに清家の紋が押してある」  他の秘書が驚いている。
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