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「……な、何をおっしゃってるんですか?専務とはそういうんじゃありません。それに私そういうことはしませんし、出来ません!」
「崇君。冗談も、ほどほどにね。香月さんをそんなに虐めて何が楽しい?小学生みたいだぞ。それに、香月さんには今お相手がいるだろ?こんなおじさんは彼女の圏外だ。崇君は……まあもしかすると年齢的には望みがあるかもしれないねえ。せいぜい頑張りたまえ」
「頑張りませんよ!」
崇さんが赤くなってわめいた。私は見ていられなくて、そっと部屋を出た。一体何をしに来てるんだろう。いつもこうやって最初はふざけてふたりで楽しそうに話している。本当に親しいんだな、気が合うんだなと見ていて思う。
でも、崇さんの専属秘書の辰巳さんが言っていたが、日傘専務と総帥は崇さんがあまりに専務に懐いているので、あまり良く思われていないかもしれないと心配していた。
総帥と崇さんは親子とはいえ、絶対君主と部下でもある。長男の彼を総帥は厳しく育ててきたということもあり、こういう専務とのやりとりのようなものは見たこともない。
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