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「父に話してきちんとするつもりだった。そうすれば黒沢達のことも片付けられた。俺はなぜだかいつもタイミングが悪いな」
「……そうですね。前も斉藤に……」
ジロッと睨んだら、静かになった。
「とにかく容疑者を捕獲しろ。お前のほうで事情聴取をしておいてくれ。俺は香月に招待状の秘密を話しておく」
「わかりました」
「嫌な予感がする。この盗みは簡単にできるはずがない」
「そうですね。おそらく他にも誰か関わっているでしょう」
「秘書課始まって以来の大スキャンダルだな」
「これが清家のように新しい何かを作るきっかけになるかもしれません」
辰巳は歩きながら言った。その通りだ。
それより、香月が心配だ。責任感が強いから自分のせいだと思い込まないといいんだが……。
俺達は秘書室へ向かった。
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