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「……いや、大丈夫だ」
振り向くとそこには崇さんが立っていた。隣に辰巳さんもいる。
「黒沢さん、ちょっといいかい?話があるんだ」
辰巳さんが彼女に声をかけた。そして、彼女をつれて打ち合わせ室へ入っていった。
「皆に心配かけたようだが、招待状の件は大丈夫だ。自分の仕事に戻ってくれ。香月戻るぞ」
皆びっくりして崇さんを見ている。私は急いで彼について部屋を出た。自分の部屋へ戻った彼は、自分の席に座ると私を見て言った。
「先ほど、玖生の秘書に連絡して招待状の場所を探ってもらった」
「……え?どういう意味です?」
「あの招待状には個別に警備用としてICチップが入れられている。以前、清家は招待状を偽装されて、暴漢に総帥を拉致されかけたことがあるんだ。それ以降、清家財閥は特殊な警備体制を敷いている」
「それがどうしたんですか?……まさか、調べてもらったんですか?」
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