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A「今日こそは許さない!」
B「ひとまず落ち着いてくれ!まずは僕の話を聞いてくれないか。」
A「そんなのもう結構!どうせあなたは私達って上から読んでも下から読んでも『ふうふ』だから、私たちが出会ったのは運命だなんて言うんでしょ?」
B「そ、そうだよ!僕たちが巡り会ったのは奇跡なんだよ!こんなの神様がそうさせたに決まっている!」
A、呆れているように鼻で笑う
A「ふふっ、あなたは何もわかっていないわ。」
B「僕が何をわかっていないっていうんだ!こんなにも君を愛しているのに!」
A「あなた、一文字多いのよ」
B「え?」
A「あなたが『ふう』で私が『ふ』。どう考えてもあなたのほうが一文字多くて不公平じゃない!?」
B、ポカン顔でAを見つめる
B「それでそんなに怒ってたの?」
婦「何その顔?いっつも運命だ運命だって言ってるくせにこの不公平さに気付かない無神経なあなたに腹が立っているのよ!自己紹介のときに自分のことを『ふう』ですとか名乗ったり!理解できた?」
夫、拳を握る
夫「じゃあ僕も言いたいこと言っていいか?これでお互い隠し事はなしだ。」
婦「いいわよ。言ってみなさい。」
夫「君だって僕の画数について周りに愚痴を漏らしていたそうじゃないか!私は11画なのに彼は4画だから何だか頼りないって。」
婦「それは…」
夫「これは君だけの問題じゃないんだ。君は文字数。僕は画数。僕たちはそれぞれ問題を抱えているんだよ。だからどうか落ち着いてくれ。頼む!」
しばし沈黙が流れる
婦「…ごめん。私熱くなっちゃってたみたい…」
夫「…いや、僕の方こそ運命だ奇跡だって言って目の前のことにまったく目がいってなかったよ。ごめん。」
婦「うん、大丈夫。改めて2人で考えましょう。」
また沈黙が流れる
夫、閃く
夫「そうだ。いいアイデアを思いついた。僕に提案がある。子供の名前を『う』にしないか?」
婦「どういう事?」
夫「つまりだ。『ふうふ』を1つの家族とするなら僕と君は『ふ』子供の名前を『う』にするんだ。そうしたら君が言う文字数も僕の言う画数も問題ないはずだ。」
婦「なるほど!そうしたらまた私達1つになれるのね!」
夫「これからは自分たちのことだけじゃなくて、子供のことも考えて暮らしていこう。」
婦「うん!」
それからしばらくして…
h(婦)「ほら、早くおむつ替えてあげて!」
u1、u2、u3「オンぎゃあ!オンぎゃあ!」
h(夫)「いやぁ、やっぱり三つ子ってのは大変だなぁ。お腹の中に三つ子がいるとわかったときはどうなることかと思ったけど、君が機転をきかせてくれたおかげで、こうして幸せに暮らしていけてるよ。」
h(婦)「そんな…照れるじゃない…でも簡単なことよ。ひらがながだめだってときに閃いたのよ。『huuhu』、私達がhで子供たちがuにすればまた私達が一つになれるってことを。」
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