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初めて行った場所を走っていたら、道路に、二つの数字と『バス』という文字が書かれていた。
ああ、専用レーンか。
朝や帰宅時など、渋滞で公共の乗り物が遅延しないよう、その時間帯だけは特定の車だけが通行を許可されている専用レーン。
ちなみに今は時間外だから、普通車が通っても構わない。
その道をしばらく走っていたら、やがてバス専用の区域は終了した。けれどその先の道路には、新たに書かれているものがあった。
まずは、先刻同様二つの数字。そして今度は、乗り物の名前ではなく何かの絵。ただそれが何なのかがよく判らない。
車のような獣のような、それらとは違うもののような…。
とにもかくにも、その『何か』が走る専用レーン。その走行時間帯は…まさに今。
反射で隣の車線に移動すると同時な、横を、『何か』が凄いスピードで駆け抜けていった。
見えなかったけれど、この時間、確かにその車線はあの何かの専用レーンになるらしい。
もし気づかずあのまま隣の車線を走っていたら、俺はどうなっていただろう。
走るものだけでなく、時間帯の方もちゃんと気にしていてよかった。
専用レーン…完
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