専用レーン

1/1

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
 初めて行った場所を走っていたら、道路に、二つの数字と『バス』という文字が書かれていた。  ああ、専用レーンか。  朝や帰宅時など、渋滞で公共の乗り物が遅延しないよう、その時間帯だけは特定の車だけが通行を許可されている専用レーン。  ちなみに今は時間外だから、普通車が通っても構わない。  その道をしばらく走っていたら、やがてバス専用の区域は終了した。けれどその先の道路には、新たに書かれているものがあった。  まずは、先刻同様二つの数字。そして今度は、乗り物の名前ではなく何かの絵。ただそれが何なのかがよく判らない。  車のような獣のような、それらとは違うもののような…。  とにもかくにも、その『何か』が走る専用レーン。その走行時間帯は…まさに今。  反射で隣の車線に移動すると同時な、横を、『何か』が凄いスピードで駆け抜けていった。  見えなかったけれど、この時間、確かにその車線はあの何かの専用レーンになるらしい。  もし気づかずあのまま隣の車線を走っていたら、俺はどうなっていただろう。  走るものだけでなく、時間帯の方もちゃんと気にしていてよかった。 専用レーン…完
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加