機械心

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物心  彼女は最近元気が無い、ずーっとスマートフォンを眺めている。  SNSだろうかそれとも小説の投稿サイトかな?以前は毎日のように投稿していたみたいだけれど最近はその感じが無い。  僕では彼女に何か助言をしたり励ましたりは出来ないから、彼女が自分から動くのを待つばかりだ。 ――数日後。  彼女がまた投稿を始めたようだ、スマートフォンで短い恋愛物の話を一日一話書いている。ネタが無いと頭を悩ませながら書く姿を見て陰ながらエールをおくる僕、彼女が僕に気づくことはないだろうけど。 ――二週間後。  彼女は連載を止めてしまった。とうとう本当に話が思い付かなくなったみたい、それでもSNSの方で何か書いている。彼女が書くことを続けているのが僕には嬉しい、また僕が手伝える機会があるかもしれないから。 ――その日。  とうとう彼女が僕を使ってくれる時が来た、電源を入れて起動させる、そしてWordを開いて以前のようにキーボードを打つ。  アニソンをBGMに楽しそうに小説を書く彼女が僕は好きなんだ、だから長く僕を使ってね。 「久しぶり、また使ってくれてありがとう」  声にならない言葉を彼女に贈る。
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