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「カーネリア、私と結婚してくれないでしょうか?」
「ふ……ぇっ、けっこん⁉︎」
「昨日、あなたにプロポーズをしようと思っていたのです」
「ちょっと、思考が全く追いつかないのですが……。私のこと、お好きなのですか?」
「そんな質問をするとは。私の分からせが足りなかったのでしょうか?」
リオンの大きな手が、ブランケットの合間から差し込まれ、カーネリアの薄い腹の上を這う。
昨日散々中で出されたものが、どろりと流れ出すのを感じる。
や、嘘、出てきちゃ……。
「んんっ、ちょ、待っ、分かってます! 充分、分からせられてますから」
「だったらいいのですが……。それで、お返事お聞かせいたたけますか?」
カーネリアは、うつむき少し恥ずかしそうに肩を震わせる。
「……はい、不束者ですが、末長く宜しくお願いします」
リオンの方へ振り向き、消え入りそうな声で答えると、リオンの満面の笑み。
くぅー破壊力!
眩しくて目を開けていられない。
輝きに慣れようと、目をぱちぱちしていると、リオンが薬指に指輪をすっとはめる。
「カーネリア、ありがとう。最愛の人。愛しています」
リオンはぎゅっとカーネリアを抱きしめる。
「リオン様、アイオラ様とのことはいいのですか?」
「いいも何も、始めからどうでもいいんだ。せっかく長い間をかけて、私から離れられないように、調きょ……、いやあなたとの信頼関係を築いていたのに台無しされるところでしたよ」
あれ、今、調教って言った?
「とにかく私の愛する人は、カーネリアだけです」
「――っ」
今までそんなそぶりは少しも見せなかったのに。言って欲しいと思っていた言葉を実際に聞くと、恥ずかしくて身体が熱くなる。
昨夜もずっと愛の言葉を囁かれて、抱かれたことを思い出す。
「そうですよ。あれ、どうしたのですか、そんなに真っ赤になって。食べてしまいたいほど、かわいいですね」
「ちょっと、待って下さい! さっきから刺激が強すぎて……」
「一緒になるのですから、慣れて……ね?」
「はいぃ……」
リオンは、カーネリアの顔中にキスを降らす。リオンの腕の中で夢見心地だ。
「本当は、結婚するまで我慢するつもりだったんですけど、あの女のせいであなたを失うって思ったら冷静ではいられなかったです」
「絆されて、仕方なく付き合ってくれたのかと思っていました」
「そんな不実なことをするわけがないじゃないですか」
「だって何も言ってくれなかったですし、長期出張に出ても連絡くれないですし。そもそも初デートの後、電話したのに!」
「ああ、あの日は、ベタベタとあの女に触れられたのが気持ち悪いし、せっかくのデートも邪魔されて腹が立ったので、君のところの副団長とサウナへ行ってから飲みにいってたんですよ」
カーネリアのぷくりと膨らんだ頬を指で突く。
「愛していますよ」
「……ぅ」
「それに愛の言葉を囁くのはベッドの上でと、決めているのです。そうすれば、聞いた時に密事を思い出して、反応するようになるでしょう? ほら、今のあなたのように」
「わ、わざとだったんですか⁉︎」
「それはどうでしょうか……ね?」
琥珀色の瞳を甘美に揺らすと、リオンはカーネリアをうつ伏せに寝かせる。
「今度はこちらで繋がってみましょうか。これまで我慢し過ぎたのか、昨日から全然萎えないのです。もう少しお付き合いいただけると嬉しいです」
「や、ちょっ、ダメです…………あ、んっ、何で、おっきぃ」
結局、年始までレイヴンブラック家で過ごし、リオンのご両親にご挨拶させられ、結婚式の日取りまでも決められてしまった。
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