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でも、あの夏の魔法がかかった今なら大丈夫なんじゃないか。
「じゃあ、これはさ、夏の魔法だからな」
「え?」
驚いたユウキの大きい目が近づく。膝立ちになった俺はためらわなかった。
愛には愛で返さないといけないからな。
優しく唇同士が重なる。
花火の残り香が惜しむように、この場にあった。
お互いの顔が見えないくらい、すっかり暗くなっていたんだ。
真っ赤な顔になっていたせいかも分からないが、帰り道は終始無言だった。
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